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杜鵑草/7-3
「ったく優しい顔しておっかねえ」 そうぶつぶつ云いながら飯塚は 己の首筋をさすった。 次にへらりと嗤って。 巴を見据える。 「何を躊躇う?」 「・・・な、んですって?」 飯塚の眼(まなこ)がぎらつく。 「抜刀斎はあんたの大事な人間を殺したんだ。 苦しめて苦しめて、どん底に突き落として。 そうしてあんたが、ヤツに“愛された”あんたが とどめを刺す。 おもしれえじゃねえか、やってみせろよ。 あんたは修羅になる決心をしたんだろ? 成る程、アイツは鬼でも蛇でもない、ただのガキだ。 だからって、あんたは絆されてやるのかい? そんな、甘っちょろい決心で―――“俺たち” に近づいたわきゃないよなあ?」 滔々と告げられるその言の葉に。 巴は溺れそうになる。 「やめ・・・て」 「あんたと、俺とやってることが どう違うって云うんだい? 俺にはわかんねえなあ?あん?巴ちゃんにはわかんのか? 俺たちにとって抜刀斎は抹殺すべき存在、それだけだ。 どんな手を使っても排除する。 俺たちはその組織に所属する“なかま”だよ」 巴は思わず両耳を塞いだ。 聞きたくない、聞きたくない、聞かせないで。 こき、とまた一回飯塚は首を鳴らす。 その面(おもて)から、一切の嗤いを消して。 「―――あんたは利用されてる。 そして、それをあんたは承知した上で抜刀斎のオンナになった。 ちゃんと、仕事しろよ―――なあ?」 ■次へ ■剣心・巴その8へ戻る Worksへ |