杜鵑草/6-4

「・・・みつけ、られないの?」
「・・・ええ」
「わたしの腕の中に、戻らないの?」
「ええ」
「どこにも、居ない?」
「ええ」

女は剣心の腕に縋り付くようにして、身体を震わせた。
凍えているからではなく、突き付けられたその真実に。
怯え、震えている。
それがたまらなく心細げで。
たまらなく儚げで。
剣心は彼女の肩をそっと抱いた。
「ど、うして」
頬骨の浮いた貌を、剣心の細い肩に押し付けて。
女はぼんやりと呟く。
「どうして、殺さないといけないの?
 お義母さま、この娘(こ)は要らないのですか?
 坊やを取り上げて、そしてこんな小さな“やや”すらわたしに 残してはくれないのですか?」
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