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杜鵑草/6-3
「 子どものように駄々をこねる女に、剣心はつい声を荒げた。 びっくりした女は信じられないものを見たかのように、 大きく目を瞠って剣心を凝視する。 「あなたが探しているのは幻か虚構だ! そんな赤子は存在しない。 いい加減目を覚ましてください・・・あなたの、お父さんは、あなたを ・・・とても心配なさってます・・・」 ゆっくりと丁寧に。 そして力強さを剣心は最後の言葉に込めた。 女の狂った心に、届くように。 あなたを、愛している家族が待っているのだと。 女の見開いた瞳の、その濁った光がぐにゃりと揺れた。 厚い水の膜が一瞬でその眼球を覆い。 忽ち溢れて、ぼたぼたと頬に零れる。 ■次へ ■剣心・巴その8へ戻る Worksへ |