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杜鵑草/6-1
さも面白そうに、飯塚は嗤った。 脂(やに)汚れた歯が、はっきりと覗く。 「そんなにびっくりしなさんな。 ぐーぜん、なんだからさ、巴ちゃん」 普段の喋りと変わらない、飯塚の声。 けれどその言葉ひとつ、ひとつが。 ざわざわと巴の肌を粟立たせてゆく。 「ぐう、ぜん・・・って何が、ですか? あなたは“どうして”、“此処”に、来たのですか?」 問いたださねばならない。 巴は強くその衝動に駆られている。 (いやだ) (いやだ) 彼女の心は拒否反応を示しているのに、冷静な思考の部分が それを制した。 抜刀斎の仕事。 遺された、身内。 ■次へ ■剣心・巴その8へ戻る Worksへ |