杜鵑草/4-12

「何を、しているんだ?」
剣心が川縁に立つ“狂女”に問うた。
膝半分を水に浸しながら、濡れそぼつ裾を気にする仕草もなく。
“狂女”はぼんやりと突っ立っている。
虚ろな眼(まなこ)は、剣心を捉えているのかいないのか、 見当も付かない。

「遊んでるの」
乾いて荒れた唇を、のろりと動かし。
女が声を発した。
「・・・水遊び、かい?」
女はくき、と首を傾げて「ううん」と呟く。

「流れた、稚児(ややこ)を見つけるの。
 ―――宝探しなの」
■杜鵑草5へ
■剣心・巴その8へ戻る

Worksへ