杜鵑草/4-10

剣心は真っ暗な細道を駆けていた。
夜目が利く彼は、敢えてそういう暗がりを探し回る役を引き受けた。
やがてさらさらと水のせせらぎが聞こえてきて、剣心の足がふと立ち止まる。
「・・・?」
せせらぎの音に混じって、ぱしゃぱしゃと水の跳ねる音がする。
魚、ではない。
足を水に浸けているかのような―――

暫し耳を澄ませていたが、やがて身を翻し。
剣心は細い橋を駆け抜け、そのまま土手を滑り河原へ下りる。
月の光が、とても細くて。
その微かな月光を、ちらちらと川面が反射させている。
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