杜鵑草/4-8

「・・・それからが、大変でしてね。
 あの夫婦の間にはたったひとりの男の子が生まれてたんですけど」
お喋り好きの女将は、だんだん興に乗ってきたのか、声の抑揚も 語りとしては巧みなものに変わっていった。
「男の実家は冷たくてねえ、難癖つけて縁切って。
 とうとうあの娘(こ)を 追い出しちまったんですよ。
 あちらさんが元々乗り気じゃなかった結婚だったとはいえ、 全く酷い話じゃないですか」
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