杜鵑草/4-7

どくどくと血の流れる音を、巴は己の鼓膜の向こうで聞く。

これは。
なんという、符号。
まるで。
合わせ鏡のような。

「おや、顔色が悪いですよ」
女将は小首を傾げて巴の顔を覗き込んだ。
そうして
「やはり聞いて気持ちいい話じゃないですよねえ」
と腰を上げようとする。
巴は慌てて何でもないから、と彼女の袖を引っ張ると、女将は 少し目を丸くしたがじゃあ、と再び腰を下ろした。
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