杜鵑草/4-5

(本当に、よくある話だ)
(だって、わたしも)
(・・・わたし、も)

しかし女将はその巴の表情に気付かず語り続ける。
「笑った顔が、可愛らしゅうて。
 家族の面倒見も良くて。
 いい娘(こ)だったんですよ・・・」
巴が、無意識に居住まいを正した。
「あるお武家さんに奉公に行ってね、そこの跡取りに見初められて。
 周りからはえらい反対されたらしいけど、結局祝言を挙げて。
 一度里帰りした時も、やっぱりいい笑顔してましたなあ」
女将はそこでふ、と目線を下げた。
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