杜鵑草/4-4
「一体何が、その女性(ひと)を狂わせたんですか・・・?」
女将はたるみ始めた目蓋をぴくりと持ち上げて。
巴の顔をまんじりと見つめる。
「・・・よくある、話ですよ。
彼女のように狂ってしまった女は、この世に幾らでも居る。
だから哀しくてねぇ」
狂った女。
幸せだったのに、狂った女。
―――よくある、話ですよ
(本当に)
巴は動く女将の口元をぼんやりと瞳に映しながら。
微かに吊り上がった己の口角を意識した。
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