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杜鵑草/4-3
「昼間に簪(かんざし)売りのおじいさんがちらりと漏らしたのですけど」 女将はああ、あの老人かと心当たりのある表情(かお)をする。 人の好い老人だけどおしゃべりでねえ、と溜息を吐きながら小声で愚痴た。 今自分たちの居る寒村と比べると遥かに賑わっている界隈なのに、 人同士の繋がりが篤いことに巴は驚きながら。 再び訊いた。 「―――可哀想だ、と。 幸せだったのに、と」 女将は巴の言葉にいちいち頷きながら「そうそう」と 肯定を声に出していた。 ■次へ ■剣心・巴その8へ戻る Worksへ |