杜鵑草/3-1

宿屋を営んでいる夫婦は、剣心と巴に それこそ幾度も幾度も頭を下げた。
盗られた金が戻らなければ大変だったのだからその気持ちも解らなくは ないが、剣心にしてみれば居心地が悪いことこの上ない。

偶然その場に居合わせて。
たまたま自分の力量が盗人を上回っていただけだ。

とっぷり陽も暮れて。
お礼の言葉の洪水にやっと解放されたと思ったら、今度は 食べきれないほどの馳走が次から次へと運ばれてくる。
・・・本当に落ち着かない。
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