杜鵑草/3-2

「慣れないですね」

食べきれなかった事を謝って、ようやく膳を下げてもらった。
そうしてやっと肩の緊張を解いた頃。
巴がぽつりと剣心に漏らす。
「・・・たったあれだけの事なのにな」
剣心も同意して困ったようにして笑った。
巴がかたりと窓の襖を開けると、肌に涼しい爽やかな秋風が 入り込んでくる。
「あなたにとっては些細なことでも、この宿屋のご夫婦には 一生の大事だったのでしょう」
「・・・うん」
居心地が悪そうに、剣心が胡座を組んだままもぞもぞ動く。
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