春を告ぐ/7

「ああ、さっき気付いた」
巴はゆっくりと立ち上がると、剣心の傍へ寄り添った。
その小さな頭を、剣心の肩にそっと預ける。
「なごり雪の中で咲くなんて・・・“残雪梅”の異名にふさわしいですね」

ふたりの視線の先に。
まだ枝振りは小さいけれど、しっかりと根付いた梅の木があった。
冷たい雪を被りながら、幾つかの花を綻ばせ。
その清(すが)しい香りを放っている。
真っ黒な細い枝が、夜目にも白く浮かび上がる雪と花弁を。
見事に際立たせていた。
そうして鼻腔をくすぐる清水の清冽さにも似た芳香―――
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