春を告ぐ/6



それからも幾つか折り紙で遊んで、やがて熱々の鍋を囲んで食事をした。
あっけなく娘と息子は眠りに落ちて。
鍋料理の残りを、巴が片し始めた頃。
剣心がゆっくりと雨戸を開いた。

「どうかなさいました?今日は寒い・・・」
云いかけて巴ははっとする。
漆黒の瞳を大きくして。
やや頬を紅潮させた。
「この香り・・・咲いたんですね」
剣心はにこりとして、巴へ振り返る。
■次へ
■剣心・巴その7へ戻る

Worksへ