春を告ぐ/5

娘の頭を撫でながら、剣心が「白いのがすきだから」と付け足した。
ふうん、と頷く娘の横で、ちらりと彼は巴の方を見遣る。
巴は真っ赤な顔して、少し拗ねたような表情をした。
「あたしもねー、白いの好き」
そんな巴の様子に気付かない娘が、無邪気に父親の折った梅の花を 両手の中に包む。
「あのね、木が真っ黒でね、花が真っ白でね、 でね、すっごく良い匂いなの!」
「そうだね」
「まだ寒くて、雪が降るのに、花が咲くの、きれい!!」
「そうだね―――」
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