春を告ぐ/1
漸く池の氷が張らなくなった頃、それは不意に降り始めた。
「・・・冷えると思ったら、雪ですね」
巴がかたかたと雨戸を閉めながら呟く。
彼女の足元の周りを、小さな男の子がぺたぺたと這い回る。
「この時季に降るなんて困ったな」
苦笑いしながら頷く剣心の左隣で。
五つに満たないような幼女が、紙人形の着せ替えを楽しんでいた。
「ささ、今度は赤いべべにしましょうね」
そうしてちらりと幼女は剣心を見上げる。
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