梅にも春/12

「“鼠啼き”かあ。
 今度やってみようか」
「・・・・・・え?」

『鼠啼き』は男女が逢い引きの合図に使う。
さすがの巴もそれは知っていたようで瞳を丸くして、立ち止まった。
「ほら、君のお父さんはいいけど、縁がウルサイから」
「あ、あの・・・」
其処から先は言葉が繋げずに、巴は小さく口をぱくぱくさせるしかなかった。
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