梅にも春/13

は、ははと涼やかに明良は笑い、すたすたと彼女の先を歩む。
大人に近づく彼の背中を見遣り、両手でそっと頬を包みながら、 巴は自分の鼓動が跳ね上がる音を聴いていた。

多分、この男性(ひと)と自分は、幸せになれる。
―――そう、信じていた。

彼が、自分を大切にしてくれていることは明瞭で、確実だった。
人が人を想うことで生じる焦りや、不安や、矛盾は、 まだ知る由もない。
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