梅にも春/9
この頃少し頬が削げて、少女から女へ確実に脱皮しようとしている彼女の、 己に向けられる笑顔はまだ無防備すぎた。
だから明良は、彼女を出来うる限り守ってやらねばと考えている。
互いを意識し始めた頃から、ずっとそれは変わらない。
しっかり者だった母親を早くに亡くし、頼りない父に代わって 家の中を切り盛りして。
口うるさい親戚と何度も応対して、やがてそれが子供特有の表現力を彼女から 喪わせてしまったことも、 彼は知っている。
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