梅にも春/5

「・・・明良さま」
拾って貰った荷を受け取りながら、おずおずと巴は訊ねる。
「何?」
明るく、それに答えて。
「本当に聞いてらしたんですか?全部?」
「・・・うん。上手だったよ」

消え入りそうな声で問う彼女に明良は優しく、そして真摯に答えた。
恥ずかしさで固まっていた彼女は、彼のそんな態度に漸く落ち着きを取り戻していった。
■次へ
■清里・巴その1へ戻る

Worksへ