梅にも春/4

すうっと息を吸い込んで、目蓋を一回勢いよく開閉して、ようやっと巴はぎこちなく、振り返る。
相変わらず、堅苦しい表情をしているが、彼女の耳朶が真っ赤に染まっていた。
明良は巴が実は人見知りで、恥ずかしがり屋であったことを失念していたことに やっと気付いた。

「ごめん、ごめん。いきなり声を掛けるなんて失礼だったね」
明良は巴を安心させるように、穏やかに微笑み、彼女が落とした荷物を屈み込んで拾い上げた。
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