天の供物・師走/9
どのくらい、泣いていたのか。
どのくらい、声をあげたのか。
どのくらい、体温が消えてゆく『彼女』を抱き竦めていたのか。
うろんな瞳に住職の影を映す、彼の血塗れの頬を、住職は 己の袂でそっと拭ってやった。
『彼女』の身体を清めた後、住職は縁に座り込んだままの彼に 声を掛けた。
「おいで。お前さんの傷の手当てもしよう」
■次へ
■その他/2へ戻る
Worksへ