彼方/8

刺さるような視線を感じてゆるゆると顔を上げる。
「ひっ」
その眼光だけで、刀を落とした。

「抜けば、斬る」

抜刀斎はそれだけ言うとその底冷えのするような眼光を解いた。
瞬時に強ばっていた身体に柔軟さが戻ってくる。
格の違いを認識して、少年はどうしようもない敗北感に打ちのめされる。

「そうだ。しばらくそうしていれば、今日は生き残ることが出来るだろう」
■次へ
■その他/1へ戻る

Worksへ