彼方/6

・・・なのにこの、掴まれた二の腕に伝わる力強さは何だろう・・・


いつの間にか岩陰に連れてこられていた。
「陽が沈むまでここでおとなしくしてろ」
それが、“彼”が発した最初の言葉。

ようやく振り向いたその人の顔を見て、少年は後ずさった。

何故、気付かなかったのか。
赤くて長い髪。
小柄な体躯。
左の頬の、大きな十字傷。
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