彼方/6
・・・なのにこの、掴まれた二の腕に伝わる力強さは何だろう・・・
いつの間にか岩陰に連れてこられていた。
「陽が沈むまでここでおとなしくしてろ」
それが、“彼”が発した最初の言葉。
ようやく振り向いたその人の顔を見て、少年は後ずさった。
何故、気付かなかったのか。
赤くて長い髪。
小柄な体躯。
左の頬の、大きな十字傷。
■次へ
■その他/1へ戻る
Worksへ