花隠れ・二章/16

両の手袋を外し、側によって屈み込むと頬についている数枚の花弁を 除けてやる。
細くて赤い髪を右手で掻き上げ、その顔を見た。
まるで、眠っているようだ。



「匂うはずのない桜の香に酔ったか。

 ・・・阿呆が」



言葉が闇に吸われて静謐が訪れた。

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