立葵/16

「ごめんなさい、わざわざ」

恵は剣心が来たと知るとすぐ薬箱を持って出てきた。
「ちょっと付いてきてもらいたい所があるんです」
そういってかたかたと先に歩く。
「恵殿?」
何だろう、と考えつつ剣心には朧ながら理由は解っていた。
しばらく土手沿いに歩くと小さな長屋に入る。
通りに近い側の戸を叩くとがらりと横に引かれて 娘が顔を出した。
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