立葵/14
しっとりと湿気を帯びた空気が朝から続いていた。
廊下を雑巾掛けしていると、不意に左之助が顔を出した。
「おろ。左之、昼飯には少し早いでござるよ」
「いや。そのよ」
ぼりぼりと左肩辺りを掻きながら左之助は続ける。
「女狐が、お前を呼んでこいとさ」
「・・・恵殿が?」
「ああ、今朝手を看てもらってるときに・・・命令しやがった・・・」
少し不機嫌な顔をしてどっかりと縁に腰を下ろす。
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