立葵/11
「お、嬢ちゃんめっっけ!!」
ぶんぶんと左之助が手を振ると 金魚掬いに興じていた薫と弥彦が気付いた。
「ダメよ、今大事なところなんだからっ!」
大きな赤い花と緑の葉をあしらった浴衣姿の薫が 真剣な顔をしてたらいを覗き込んでいる。
傍で疲れたような弥彦が、振り返って笑った。
「ありゃあ、迷子の自覚無しだな」
左之助が呆れたように言い放つと大きなあくびをひとつ零した。
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