立葵/8

「いや、何となく」
「それだけでござるか?」
「・・・それだけでい」

左之助の右手には先程の夜店で買った焼き烏賊(いか)が握り締められていた。 彼はそれを掲げて巧みに人混みの中を抜けてゆく。
香ばしいたれが滴りそうで、滴らないところに 思わず剣心は笑みを漏らした。
「・・・実は拙者にもよく解らないのでござる」
「はああ!?」
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