さんにんになる日/15

「そんなにね、すぐに変われとは言わない。 あなたはずっと何も持たずに生きてきたし、・・・失うことの 恐ろしさも充分知ってるし」

薫の瞳は怒ってはいない。むしろ、慈愛で満ちあふれている。

「わたしも、弥彦も、・・・あなたも出逢った時は独りだった。 わたしは、でも今はこうして居られることを感謝してる」

「薫・・・」

着物の袂から薫の陽に焼けていない白い肘が覗いた。
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