天衣/8
「初めて」
肩掛けの両端を握ったまま、膝を折り、剣心は彼女の顔を覗き込んだ。
普段巴が感じることのない、彼の体温(ねつ)が彼女のすぐ前に、在る。
「初めて、君の姿を認めた時。 君は真っ白な着物で。深い紫色の肩掛けをひらひらさせて。 ―――真っ赤な返り血を、あちこちに華のように散らして」
彼女の表情の変化を僅かでも見逃さないように、瞬きもせず。
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