陽に晒された思考の行方/10
「だから、俺ひとりじゃ嫌だったんだよ・・・」
小さな声で素早く囁いて。
ふわりと彼女の目元が優しくなる。
時折覗かせる、年相応の彼の少年らしさは彼女にしてみれば “狡い”表現、だった。
白髪頭の主人は剣心の用件を聞くと直ぐさま反物を手に取った。
鮮やかな山吹色の『黄八丈』の絹織物がそこにあった。
「・・・へえ・・・」
初めて見たのか、剣心は感心したように巴を振り返った。
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