散り菊/7
(おやおや、こんな表情(かお)が出来たんだねえ)
女将は感心しながらふたりに頻りに酌を勧めていた。
だがそうしながらも、彼女の白く濁り始めた瞳がふと止まってしまう物がある。
―――男の隣りに置かれている刀と、女の懐にある小刀。
今宵初めて夫婦(めおと)として認められたふたり。
だが彼らの持つ刃(やいば)はお互いの深い干渉を拒んでいるようにも思えた。
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