手探り/4

「巴さん」
ひとりの男が彼女に声を掛けた。
小萩屋に居る長州の志士のひとりだろう、とは思うが 名前も解らない青年だ。
彼は人の良さそうな笑みを浮かべて 袂から小さな袋を取り出した。
「・・・何でしょう?」
「これ、あなたにと思って」
くいっと彼女の手首を掴んでその掌に袋を握らせる。
その手触りでそれが貝の形をしていることが判った。
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