手探り/3

早く土から出てきたのであろう、遠くで蝉の声がする。
日に日に増す暑さを、羽を震わせ助長する。
巴は長い髪を耳にかけて再び針を布に運び始めた。
―――それは自分でも驚くほど穏やかな気分で。

昨日。抜刀斎が「斬らない」と告白したときから。
彼女の中の、何かが変化していた。
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