影見/25

風が、冷たさを孕んで強く吹き抜ける。

ざあっと水面が波立つ音が、幽かにした。
乱れた髪を撫でつけて巴はゆっくりと右手を剣心の頬にそうっと置く。

「―――いいえ」
「とも、え・・・」

「いいえ」



影でも、虚像でも、今は。
ふたりにとっての真実。だから、お願い。
振り返らないで下さいな。
・・・せめて、今は。
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