影見/16

長いこと身動きしない巴に剣心は首を傾げた。
「どうかしたか?」
一度目蓋を閉じて、巴はさっきまでの思考を切り捨てる。
「いいえ。・・・ただ驚きすぎて」
微笑み、とまではいかないが彼女の表情は穏やかで、 それを見て取った剣心は安堵した。
「なら、いいんだ―――」

いつも何処か張り詰めている君が、僅かでも肩の力を抜けるように・・・それが ここに来た目的のひとつでもあるのだから。
■次へ
■剣心・巴その2へ戻る

Worksへ