影見/10
艶やかな黒髪がゆらりと彼女の胸元に落ちて、心地良い香りが鼻先を掠める。
小花を散らした青地の着物がさらさらと音を立てたかと思うと 彼女はすくりと立ち上がって剣心を覗き込むようにした。
「とても」
小さな声で、今度ははっきりと告げる。
「・・・うん」
剣心も立ち上がって嬉しそうに彼女の手を握った。
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