赤蜻蛉/23

辺りが夕闇に包まれてきた。
赤い夕陽に目をやって、剣心はそろそろ帰り支度を始める。
腰を屈めた彼の前を、すいっと何かが通り過ぎた。
思わず振り返ると、そこには無数の赤蜻蛉が舞っていた。

「・・・・・・」

山を染め上げている太陽と同じ色をした、小さな生き物は 幾つも幾つも剣心と同じ目線の高さを飛び回って、 何度も彼にぶつかりそうになった。
■次へ
■剣心・巴その1へ戻る

Worksへ