赤蜻蛉/15

「でも、・・・」

おしのは立ち上がった。
お尻の草を払いながら、また笑う。

「でも?」

「・・・ここからは、内緒。
 ほら、巴さんが呼びに来てるし」

畦の向こうに巴が立っていた。
あの、漆黒の瞳でこちらを見ている。

「じゃね」

くるりと背中を向けてまた駆けてゆく。
訳が解らずに剣心はそれを見送るばかりだった。
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