二章/5

「・・・緋村には凶の正義の先鋒を務めてもらっている」
最初は長州藩の話だったが、やがてあの人の名前が出た。
桂は私の目をじっと見て逸らさない。
「最も苛酷な役割だ」
・・・こんな時私は己の表情の乏しさに感謝する。
そう、私は動揺していた。この人は何のためにここに来たのか。
声音が高ぶるのを抑えて言葉を紡ぐ。
「・・・それで?  私に何を務めさせようとお考えなのですか?」
桂は小さくため息をつくと部屋を出ていった。
ただ私に自分たちのやっていることを理解してもらいたかったと言い残して。
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