ゆずりは/2

「そういわれてもなあ。
 おまえが寝小便垂れて、ぴーぴー泣いてたのがついこの間のこと・・・」
「師匠っ!!
 それ以上喋ると許しませんよっ!?」
剣心が娘の耳を手で塞ぎ。
真っ赤な顔で噛み付いてくる。
(・・・進歩のないヤツだ)
くっくっと喉で嗤うと、その含みを察した剣心がますますむくれて。
「ったく。
 それが人の家を訪ねる態度ですか?」
―――尖った唇がますます子ども染みていた。


切られて出された羊羹が、黒々として。
それがまた甘さを引き立てているようだった。
幼い娘は三口ほどでそれを食べ終わると。
剣心に強請って、外へ出て行く。
まだまだ遊び足りない、といったところか。
風はやや涼しくなったものの、陽が落ちるまでにはまだ間がある。
きゃあきゃあ、と時折あがる甲高い声を聞きながら。
比古はずず、と茶を啜った。
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