ゆずりは/1

「とーさん」
白くて柔らかで小さくて。
まるでふわふわ宙に浮いてるのかと錯覚するくらい頼りなく。
・・・伸ばされた腕。
「おいで」
剣心が迷うことなくその手を掴んで。
抱き上げる。
小さな女の子はきゃっきゃっと声を上げて温かな両手を 剣心の首に回した。

「―――ほう、意外にちゃんと父親をやってるじゃねえか」
剣心のすぐ後で。
逞しい体躯の男がにやにやと笑った。
剣心は首を捻ってその男を振り返り見て、はあ、と軽く 溜息を吐(つ)く。
「当たり前ですよ。
 俺はこの子の、父親なんですから」
いつもいつも、からかうのは止めてくれ、といった非難をその 薄い瞳の色に滲ませながら。
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