杜鵑草/1-3

それが執着であることに剣心は気付いていなかった。
これまで己の命さえ軽んじる傾向のあった少年が。
初めて手にした大切なもの重みを。
―――まだ気付く由がない。



「どうだい?うまくやってるかい?」
にやにや笑いながら飯塚が訊いてきた。
「・・・大丈夫です、ちゃんと暮らしてますよ」
素っ気なく答えると飯塚は細い目を丸くして、溜め息を吐く。
「いや、そんな意味じゃなくてなあ・・・」
飯塚は橋の欄干にもたれたまま、ぽん、とキセルをはたいた。
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