孵化/20
微笑ってくれたような気がした。
自分が、立ち上がった時に。
けれどやはり、光の反射が眩しくて表情は見えなかった。
否。
光ではない。
縁自身の、それは膜であり拒絶なのだろう。
破れ、破れ。
自力で殻を破る、雛のように。
「―――じゃあ、ナ」
躊躇いもなく背を向けて。
不敵に、笑った。
完
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