孵化/18

「まだ泣けるのね・・・よかった。 まだ心は息づいてるのね・・・」

目線を挙げてもやはり眩しくて。
彼女の表情は見えなかった。





「ホッ、行くのかい?若いの」

二本の足が。
大地を踏み締める。
靴裏からじゃり、とした感覚が脳髄を駆け上る。
「・・・微笑って、くれたのかの?」
老人の囁きを、確かに縁の耳は拾った。
初めて、老人の双眸を凝視し。
何の感慨もなく、視線を外した。
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