孵化/9

「・・・気をつけて、縁」
「姉・・・ちゃん・・・」



あれ程傍にいたいと願った彼女が、幼い自分の手を引いている。
嬉しくて、懸命に彼女の顔を見ようとするけれど。
まっしろな雪が反射して。
よく見えない。

「姉ちゃん、姉ちゃん」
「なあに?縁」
「姉ちゃん」

何を云おう、何を訊こう、何を・・・
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