孵化/4
「・・・微笑って、欲しい・・・か」
老人は誰に聞かすこともなく、再度ぼそりと呟いた。
「身勝手で、贅沢で、独り善がりな言葉じゃ。
だが・・・想いが深い」
どっこらせ、と腰を上げ、老人はぽんぽんと縁の頭をはたく。
そうして和紙に包まれた干物を縁に前に置いた。
「喰え。
生きてゆかねば答も見つからんよ」
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