春を告ぐ/11

血にまみれた手をしていながら。
たじろぐほどの無垢な瞳をしていた。
それは。
氷の世界にいたわたしを、溶かしてしまったのに――――――



「春告草(はるつげぐさ)・・・」
「え?何?」
「いいえ・・・何も」



闇の中でも。
凍えても。
その香は最上の道しるべ。

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